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毎年8月13日に開催される関門海峡花火大会は門司と下関の両岸で同時に行われる西日本最大級の花火大会です.
産総研ではこの関門海峡花火大会の門司港駅付近を実証場所として混雑環境での人の動きを計測することでモデル化し,
混雑緩和策を検討することを目的とした研究を2012年から継続しています.

 
提供:関門海峡花火大会門司

GPS や RGB-D カメラ,レーザーレーダーを用いて人の流れを計測し,
人の流れをシミュレーションすることによって混雑緩和策を検討しています.
 

| 人の流れの計測とシミュレーションによって分かったこと

GPS を持った計測員がそれぞれの帰宅動線を歩いています.
また環境に設置した RGB-D カメラやレーザーレーダーによって駅付近の人の流れを計測しています.
※ 取得したデータによって個人を特定することはありません.

その結果をもとに花火大会から帰る人達の移動をシミュレーションで再現することができます.
下図の緑や赤い点は人を表していて,赤い箇所は混雑していることを示しています.

 

門司港駅側では,混雑による事故が発生しないように警備員がパーティションテープを使って
人の流れを止めたり,動かしたりを制御しています.

このタイミングは適当でしょうか?

実際に行われている制御方法を評価するためにコンピュータ上で色々な制御方法を
シミュレーションしてみて比較評価してみました.

会場から駅へ向かう帰宅動線は3つあります.
ある動線で帰ると早く帰れる,ある動線では時間がかかるというのは不公平感があります.

そこで,評価の指標としては
(1)駅まで到着するのにかかる時間
(2)ルートごとの不公平感
の2つを考えます.

人を止めるタイミングや分岐の誘導など,シミュレーションで色んな制御方法を試してみました.
それが下の結果です.青い点がある制御方法の結果で,縦軸が駅まで到着するのにかかる時間
横軸がルートごとの不公平感です.
それぞれ値が小さいほど良い誘導だということができます.

赤色の点が実際の誘導で,緑色の点がシミュレーションが見つけた最良方法です.
実際の誘導を見ると縦軸ではかなり小さな値になっていり,
最良に近い誘導だと考えることができます.
一方で,不公平感で見ると,最良の点よりは少し大きく,また改善の余地はあります.

つまり現在の誘導方法は駅まで到着する時間を短くするという観点では良い誘導ができているが,
時間によっては経路毎の不公平感があり,ここにはまだ改善の余地があると結論づけることができます.
 

| 今後の展開

門司港駅付近では関門海峡花火大会終了後にプロジェクションガイドを行っています.

下図のように分岐点で今どちらの方向に行くのかを図示しています.
また,駅の方向や警察からの情報を提示しています.

 

今のところ,これらの情報は警備会社がその周辺を観察しながら誘導方法を決定し,
その情報を人が見ながらプロジェクションの矢印の向きを制御しています.

最終的には,計測やシミュレーションをリアルタイムに行いながら
コンピュータが意思決定の支援をできるようなシステムの構築を目標としています.

   
   国立研究開発法人産業技術総合研究所 大西 正輝
   本研究に対するお問い合わせは onishi@ni.aist.go.jp にご連絡下さい.
   

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