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AI橋渡しクラウド(ABCI)運用開始記念式典
AI橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure:ABCI)がもうすぐ利用可能になります.

ABCIとは産総研が構築する1088台の並列計算機で,43520個のCPUコア,4352台のGPUを利用することができます.GPUは最近はやりのディープラーニングを行うためのプロセッサで,この台数は世界最大級.ABCIは6月25日に開催されたスパコンの国際会議で発表されたTop500ランキングで国内第1位,世界第5位を獲得しました.

その ABCI が8月1日から本格運用されるのに先立って,柏の葉で記念式典と見学会が行われました.

記念式典は産総研の理事長や東大総長,経産省技環局審議官の挨拶で始まり,その後,ABCIへの期待や概要についての説明,産総研内外のAI研究の取り組みの紹介などがありました.

産総研ではABCIを運用するにあたって,その前に400GPUほどのAAICという小規模なクラウドを構築しました.私はAAICのヘビーユーザーなので,ABCIの使い方例ということで2件のポスター発表を行いました.モデルのハイパパラメータ調整に関する研究と大規模な人流解析に関する研究です.今後もこういった機械学習やマルチエージェントシステムの最適化に関する研究に使っていきたいと思っています.

式典の後はABCIの見学会ですが,これは外部の人向けなので,産総研内部の私たちは式典前に見学させて頂きました.

場所は東大の柏IIキャンパスの中にあります.千葉大の農園の中を突っ切り,柏IIキャンパスに向かいます.このキャンパスは正に今建設中という感じで,その中に一足先に産総研のAIデータセンター棟が建っています.

これまでに私が見たことのある通常のサーバー室はマシンを冷やすためにガンガンと冷房が効いていて寒いので,駅から汗だくになりながら歩いた体を冷やせるか…とか思っていたら,ABCIは水冷式で,室温は35~38度程度とのこと.つまり暑いのです.体が冷えない…

GPUは水冷で冷やされ,外には太い配管があり水を冷やす装置などが配置されています.ABCIでは冷却装置なども含めたコンテナ全体の設計から行っているため,システム全体の省電力を達成しているとのことです.

AIデータセンターの横には研究用の建物が建設中で産総研の柏拠点ができます.ここはバーチャルリアリティーやセンサに囲まれた居室となる予定で,人工知能第二ラウンドという感じの設備が着々とできつつあります.

これらを使ってどんどん研究成果を進めて,情報を発信していかないといけないですね. (2018/7/30)

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