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大規模人流計測実験三連発
人流計測の研究を行っています.大規模な実証実験には慣れているつもりですが,今回の三連発は本当に大変でした…

日程的には8月13日が恒例の花火大会の計測.8月31日~9月2日が共同研究での混雑時の群衆の集団回避実験.9月7日が新国立劇場での第2回避難体験オペラコンサートでした.

まずは,花火大会の人流計測.これまでは共同研究者の山下さんが準備など全部やってくれていたのが,北海道大学に異動してしまったので,幾つかの書類作業をこちらでやる必要があります.書類の多くは山下さんから引き継いでいるのですが,最後はこちらで提出する必要があります.

また,書類だけではなく,肝心の実験の準備も大変です.右の写真はPSロガーの動作チェックの様子.数がたくさんあるので,電池の充電,動作チェック…結構大変.その隣は深夜のカメラ取付作業の様子です.まぁ,もう何年もやっている繰り返し作業なのである程度はシステム化はされてはいるのですが.

10万人規模の人の計測実験なのでそれなりに大変ですが,貴重なデータが収集できます.実験第一弾はなんとか終了です.

次は企業との共同研究の計測実験です.群衆が歩く際に対向者をどのように避けながら歩くのかを計測します.こちらは30名近くの被験者を集めるのに一苦労.筑波大学の学生をターゲットにメーリングリストなどを使って人集めをしてなんとか実験を成立させることができました.

最大15名ずつの人が対向して歩くというものなのですが,最近のこの手の実験は所内手続きが必要で倫理審査を通すのが非常に面倒です.安全性は確保できているのか,プライバシー的な問題は大丈夫なのか.何度も倫理委員会とメールのやり取りをして書類を作成します.実験の前に審査で疲れます…これじゃぁ,そのうち渋谷を歩くのは危険なので申請書を出してからとかになりかねない…と思ったり.

実験第二弾も何事もなく無事終了です.いいデータが取れました.はぁでも疲れた.

次は新国立劇場での避難体験オペラコンサートです.1300人規模の人が参加する中でオペラ鑑賞中に地震による火災が発生.主催者が講演の中止を決定し,避難をするというものです.

2014年に続き第2回目の開催で,前回の計測結果やシミュレーション結果をもとに,問題点を洗い出し,避難開始の合図の際には避難方向が後方であることを強調すること,避難が完了するまではドアを固定すること,空いているドアから避難するように誘導することなど誘導上の改善を行いました.

その結果,大きな混雑が起きることなく,非常にスムーズな避難が実現.取材に入っていたメディアもあまりのスムーズさにあっけに取られている印象でした.この避難体験オペラコンサートは日本テレビの news every. や毎日新聞の科学面をはじめとする多くのメディアで取り上げて頂きました.感謝です.実験第三弾も大成功でした.

これからも競争力があるような実験をして論文をたくさん書いていきたいと思っています. (2018/9/7)

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月に2回程度の更新を目標としています

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