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ヨーロッパ各地への大小旅行記
在外研究でイギリスに来ています.期間は6ヶ月.長いような短いような…イギリス生活に感化を受けて色々と書こうとしていることはあるのですが,それは準備中なので別の機会に譲るとして,自分のホームページを振り返って見ると正に人生を測る尺度.生活に余裕があると色々と書きたい気持ちになるし,仕事に追われていると日々の業務に一杯一杯で,なおざりになります.最近の自分のホームページを見ると書けてないなぁ…人生を楽しめてないのかなぁ…と反省です.

ここは自分のホームページ.楽しく書きましょう.という訳でイギリスに来てからの大小ヨーロッパ旅行記です.

まずは,日帰りウィンチェスター旅行から.

ここは,かつては都としてロンドンと肩を並べるほど栄えた街です.街の中心にはアルフレッド大王の像があり,歴史の歩き方にも書きたい…という構想があるものの実現していません(今のところ実現しそうもない…).イギリスも他のヨーロッパと同じくローマ人に占領されていた時代があります.ロンドンから離れればローマ時代の面影を残す街が結構あり,ここウィンチェスターもローマ占領時代の面影を残す街の一つ.城壁が残されています.

重厚な造りのウィンチェスター大聖堂には『エマ』や『高慢と偏見』の作者ジェーン・オースティンの墓があります.ウルブジー城跡は今は朽ち果てていますが,ビショップ・ヘンリーの邸宅.1100年代の城跡です.ロンドンから少し離れるとこういった朽ち果てた建物跡が結構あります.

ウィンチェスターカレッジはまるで城のようなイギリス最古のパブリックスクール.少数精鋭の名門校です.グレートホールはアーサー王ゆかりの円卓が有名.アーサー王は実在したかどうかも分からない人物ですが,この円卓が作られたのが13世紀ということで,歴史が生んだ歴史という感じです.

ここ,ウィンチェスターはロンドンからの日帰り旅行にちょうどいいと思います.

次は日帰りワイト島.

私がキングストン大学でお世話になっているホストの先生が連れて行ってくれました.車でポーツマスまで行き,そこからフェリーに乗ります.日本だったら,絶対に橋をかけているだろうなぁ…とか思いつつ船で島を目指します.

ワイト島はビクトリア朝からのリゾート地.ビクトリア女王が亡くなったのもここワイト島です.夏は大混雑ですが,産業のほとんどは観光なので,冬場は閑散としているそうです.原チャリのレースが有名なようで,この日もあちらこちらで原チャリレースの集団を見かけました.

ワイト島の最大の見どころはアラム湾からの眺望です.先端にはニードルと言われる正に針のような白亜の岩が連なっています.そこへ向かったのですが,一番眺めのよい展望台は既に閉まっていました…残念.なんとか遠目から写真で撮ったのが左下の写真です.ちなみに右下の写真はフェリーから見たポーツマス.ポーツマス条約はどこの国と結ばれた条約か覚えていますか…?帰りはちょうど夕暮れ時で奇麗な夜景を見ることができました.

旅行ではないですが,次はロンドンカーニバル.

8月最後の日曜と翌日のバンクホリデー(祝日のこと)はロンドンのノッティングヒルでカーニバルが行われます.今年は暴動があったので,開催が危ぶまれていたようですが,警官や警備員を増強して開催されました.確かに警官がウヨウヨ.馬に乗った警官も出動していました.さすがイギリス.そういえば暴動の鎮圧にも騎馬警官が出動していました.

ノッティングヒルで行われるこのカーニバルはジャマイカ由来のようです.ちなみにジャマイカは英連邦王国の一国で首都はキングストン.私がいる街と同じ名前です.

日本の祭りでいうと連のようなグループが踊りながら進みますが,日本の祭りと違うなぁ…と思うのが,踊っている人達に真剣さがないというか,酒を飲みながらダラダラ歩いている人が結構多かったりします.もっと真剣に踊ろうよ…と思ってみたり.阿波踊りもロンドンカーニバルで連を出せば…受けるだろうなぁと思いました.

後,結構イケたのがジャマイカ料理のジャークチキン.ピリ辛バーベキュー味がとても美味しく,付け合わせのフライドバナナともよく合います.朋のお気に入りとなりました.ただ,屋台はアチラコチラに出ているのですが,ロンドンはトイレが極めて少ないので,日本の祭のようにビールをたくさん飲みながら屋台のものを食べるということができないのが残念.ロンドンのトイレ事情,せめて地下鉄の駅くらいには設置して欲しいものです.

イギリスからの海外旅行,日帰りフランスのリリーとベルギーのブルージュの旅.

これまたホストの先生に連れられて車でドーバー海峡のユーロトンネルを渡りました.ユーロトンネルを渡るのに,先生が電車の予約をしたといいます.車で行くのに…なぜ?.実はこれ,ユーロトンネルを車で渡るときは,車で電車に乗るという面白いシステムです.正にフェリーの電車版.席はなく,移動中は車内で待機です.

まずは,フランスのリリーで少し買物.フランスの郊外型のスーパーマーケットは巨大です.イギリスの食材の乏しさに辟易していたので,バラエティー豊かな食材のそろうフランスは正に天国.税金が安いとこともあって少し高級なワインなども買いました.

次はベルギーのブルージュへ移動.車で走っているとパスポートコントロールをしていたと思われる場所はあるのですが,今はそのまま通過できます.ベルギーの目的は晩飯です.名物ムール貝を頂きました.噂には聞いていましたがベルギーのビールはフルーティな味わいでなかなか美味しい.もう少し街歩きもしたかったですがあいにくの雨,しかも日帰り旅行で時間がないので,食事をしたら撤収です.

ちなみにパスポートコントロールのハンコ.シェンゲン協定のあるヨーロッパは皆同じで,左上が国(左の写真だとフランスのF).右上がその時に使った交通機関で,今回の場合だと車の絵となります.

祝日を利用してミュンヘンへ.

右のパスポートコントロールのハンコを見ると,ドイツに飛行機で入国したことが分かります.今回の旅行はドイツのミュンヘン.目的はオクトーバーフェスト!です.この時期はなんと日本の祝日,敬老の日.これは神様がビール好きの私にミュンヘンに行けと言っているようです.行くしかないでしょう.

ネットを見ているとトイレに困るとのことでしたの少し高いですが,オクトーバーフェストの会場近くに宿をとりました.こんな所でケチっても仕方ありません.

ミュンヘンに到着.早速会場へ.驚いたことに中々ビールにありつけません.巨大な会場には移動遊園地のようなものがあって,ホットドッグなどの食べ物もたくさん売っているのですが,ビールが売っていないのです.会場内にビール会社が巨大なテントを張って,ビアホールを開催しているのですが,予約がないと中に入れないのです.見回っていると,時々こっそりと入れてくれる所や,交渉すると入れるところを見つけました.

やっとのことで,幾つかのビアホールに潜入することはできたのですが,席がなければビールを注文できないのです.もちろん料理も.

ドイツ人でオクトーバーフェストは初めてという人から話しを聞くと,その人は1年前に席を予約しても一番隅の席しか取れなかったということです.中心部の席だと2年以上も前から予約しないといけないそうです.席を持っている人と仲良くなったり,ウエーターのお姉さんに話しかけたりで何とかビールをゲットする方法を確立.あきらめずに話かけてみると何とかなるものです.現地の人達と楽しく飲みました.千鳥足でホテルに戻ってマサチューセッツ出身とかいうアメリカ人達とホテルのバーで盛り上がりました.

ミュンヘンからノイシュヴァンシュタイン城が近いぞということで…中1日は,当日集合の現地英語ツアーでノインスバンシュタイン城に行きました.こちらは正にシンデレラ城でした.

両親が来たので,湖水地方へ

両親が遠路来てくれたので,土日に泊まりがけでどこかに行こうと計画.両親からのリクエストでは自然の場所へ…とのことでしたので,湖水地方に行きました.電車でウィンダミアに行って,そこからバスでボウネスへ向かいます.

目的の一つがイギリスのSLです.まぁ,日本で乗ったSLと同じと言えば同じなんですが…車窓から見たトンネルの中を煙が巻き上がる光景からは遠い時代にタイムスリップしたような感覚を覚えました.

後は自然を満喫ということで,グラスミア湖の湖畔フットパスを歩いて一周しました.これぞ正に湖水地方の楽しみ方.ただ,バスの本数が少ないので,帰りのバスの時間を考慮してビクビクしながらでしたが…

湖水地方は自然豊かで感性を磨くのに最適なのでしょう.ロマン派の詩人ワーズワースやピーター・ラビットのビクトリア・ポターを輩出しています.朋の俳句の感性も磨かれるといいのですが…

次は朋の両親と祝日を利用してパリへ.

学生時代,朋は友人のお兄さんがフランスにいたので,そこに2ヶ月程居候させてもらったということです.朋が両親とパリの景色を共有したいということ.朋の両親が来てくれた土日祝を利用してユーロスターでフランスへ行きました.ユーロスターは快適ですが…まぁ新幹線のぞみの方が上ですね…

パリではルーブル,オルセー,バトームッシュ,凱旋門,ベルサイユ宮殿と正にハイライトコース.朋が2ヶ月居候になったという家の前にも行きました.当時と同じようなところも,変わっているところもあって,感慨深げでした.

やはりフランスは美食の国.何を食べても美味しいです.イギリスの食材の少なさにはウンザリとしてきていますが,フランスでは魚介など美味しいものを食べました.

ちなみにパスポートコントロールのハンコは汽車です.これで,車,飛行機,電車の3つのスタンプがそろい,全てコンプリートとか思ったのですが,船で入国したら船のスタンプなんでしょうね.イギリス・ドーバーとフランス・カレーが1時間半くらいの船旅なのですが…今回はちょっと難しいかなぁ…

あっ,歩いて国境を渡ると人のスタンプなんでしょうか?知っている人がいれば教えて下さい.

土日1泊でチェスターとリバプールへ.

日帰りは厳しいですが,1泊でちょうどいいのがチェスターとリバプール.

チェスターはウェールズとの境界に位置するローマ時代の城壁で囲まれた街です.正確にはローマ時代の城壁を中世に再生した…ですが…かなりの城壁が残っているので,城壁の上をぐるっと歩いて街を一周することができます.

もう一つの見どころは街の中心部にあるチューダー朝の木造建物です.この種の建物はキングストンにも何軒かあるのですが,これだけそろって連なっていると圧巻です.しかも,中2階のようなところは歩いて見るショッピングモールのようになっています.チェスターではローマ時代の円形競技場跡の近くで一泊して,次の日はリバプールへ.

リバープールはビートルズを生み出した街です.が,まずは駅前のウォーカー美術館へ.ヘンリー8世の有名な絵があったりで,博物館の学芸員と歴史の話をしていると,ついて来い…と言われてついて行くとチューダー朝のポスターをプレゼントしてくれました.ちょうどチェスターで買った,エリザベス女王の家系図があったので,それを見せると,驚いていました.日本でいうと,徳川家マニアの外国人という感じなのかも知れません.

ビートルズを生みだしたというマシューストリートは小汚い裏通りでした…だからこそ,かつては熱気があったのだと思います.歴史の勢いの生まれ方に感銘を受けました.

リスボン,マドリッド,バロセロナの旅

せっかくイギリスに来ているのだから…と思い,有給を取ってヨーロッパ小(大?)旅行することにしました.目指すはポルトガルとスペインです.

まずは格安航空のEasyJetでポルトガルの首都リスボンへ.7つの丘と呼ばれるこの街は坂が多いですが,市電が張り巡らされていてこじんまりとまとまっていて,街歩きしやすいです.海鮮の多い料理も日本人好み.1泊しかしていませんが,もっとゆっくりしたかったです.

リスボンからは寝台列車でマドリッドに移動.22:30発で翌9:03に到着.食堂車での夕食,朝食がついて,酒も飲めて,個室にはトイレもシャワーもついての至れり尽くせりです.ただ,我々の部屋のシャワーの勢いはすこぶる弱く…で入るのは断念しました.10時間半の長旅でしたがのんびりと楽しめました.

続けてマドリッドからバロセロナまで電車で一気に移動.この2つの電車の移動距離はほとんど同じなのですが,スペインは新幹線が整備されていてこちらは2時間半ほどです.

バロセロナは2000年に国際会議で来て以来.まずはサグラダ・ファミリアへ.外見はほとんど変わりませんが,入口である受難のファサードの装飾が増えていました.ただ,デザインがシンプルすぎて個人的には今一.ガウディが作った背面に位置する生誕のファサードの装飾とマッチしていません.ガウディ―の装飾はあんなに細かいのに….大きな変化と言えば,教会の内部に入ることができるようになっていました.天気が悪いということで塔に登れなかったのが残念です.

バロセロナハイライトは…名物スリに会いそうになりました.重いトランクを持って地下鉄に乗ろうとしていた時,混雑にまぎれて後のポケットから財布を抜かれそうに…私は気が付かなかったのですが,朋が気づいてポケットをブロック.その瞬間,朋の鞄にも他の人の手が…チームワーク抜群のスリです.幸いにも何も取られはしなかったですが,気をつけないといけないですね.

バロセロナからマドリッドに再び移動.マドリッドではトレドや朋念願のプラド美術館,そしてエルエスコリアルに行きました.この辺りは歴史の歩き方に書くために準備中です.私自身,美術にはあまり興味はないのですが,今回の一番の収穫は美術も時の歴史を通して見ると中々面白いということです.色々と勉強になりました.

マドリッドで驚いたことは,週末の夜の繁華街は大混雑.プエタ・デル・ソル駅の近くの大通りは人・ひと・ヒトで埋め尽くされます.それと宝くじ売り場には長蛇の行列.一発逆転の国柄なのでしょうか.買うのに3時間くらいはかかりそうな長さでした.スペインもポルトガルと同様に食事が美味しいです.パエリアやタパス料理を堪能しました.もちろん,フラメンコも.残念ながら闘牛はやっていない時期でした.

歴史,芸術から食事,そしてスリまで(マドリッドでも会いそうに…)と楽しい旅行になりました.こうやってまとめて書くと遊んでばっかり…そんなことはないですよ…他の考察はまたの機会に… (2011/11/27)

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