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潮来の花嫁・鹿島の卜伝
突然ですが,『潮来』って読めます?

正解は『いたこ』.恐山のではなく地名です.潮来は茨城県の南東に位置し,水郷の町として知られています.この時期はあやめが有名だということで,あやめ祭りに行ってきました.

水郷の町・潮来の名所はろ舟での前川十二橋めぐり.茨城に住むようになって思うことですが,この辺りの川は岸から水面までが非常に近い.いつもとは反対に舟から見ても岸がとても近く感じ,雨が降ったら氾濫しないのか心配になります.

船頭さんの話によると,やはり昔はよく氾濫したそうですが,今は水門で水量の調整をしているので氾濫することはないとのことでした.

この辺りの花嫁は結婚式の時にろ舟に乗って嫁ぐ風習があったそうで,あやめ祭りにあわせて『ろ舟の花嫁さん』の儀式をしていました.ゆっくり漕ぎ出るろ舟に座る花嫁さん.白無垢が綺麗です.

しかし,空は生憎の曇り空.我々が見ていた橋の下を花嫁さんが通り過ぎた頃にポツリポツリと雨が降ってきました.優雅に赤いカラ傘を指す花嫁さん.我々は傘を持っていなかったので,露店のテントまで走って雨宿り.

とその時,ものすごい勢いで滝のような大粒の雨が降ってきました…花嫁さん大丈夫やろか…きっと大丈夫ではない…結構長く降り続きましたから…

しばらく雨宿りしてから,頼朝が開いたと伝わる長勝寺に立ち寄りました.今まで存在すら知らなかったのですが,ここがなかなかの名刹.茅葺の本堂は趣があります.本堂の横にある手入れの行き届いた庭を過ぎると黄門様が使ったという書院でお茶を頂くことができます.

また雨が降ってきたので,贅沢な庭の景色を堪能しながらゆっくりとお茶を頂きました.名古屋にいたころは寺といえば尾張徳川家に縁のあるところが多かったのですが,ここは黄門様だから水戸徳川家に関係する寺.なんか変な感じです.

朋が気に入ったということなのでまた違う季節に来ることになると思います.

せっかくここまで来たのだからと,鹿島神宮にまで足を伸ばしました.鹿島は『卜伝』の郷です.ところで『卜伝』って読めます?

答えは『ぼくでん』.塚原卜伝は室町後半から戦国時代に活躍した剣豪です.

鹿島では卜伝で町おこしをしようとしているようですが,ちょっとマイナーですよね.足利13代将軍義輝に剣を教えるなど剣豪としては名を残しています.江戸時代には人気があって,講談なんかでは宮本武蔵の剣を鍋蓋で受けたというエピソードが紹介され,それを模したイベントをやっていました.

じゃんけんで勝つと剣で切る.負けると鍋蓋(盾)で防御するってやつです.勝ってお茶を頂きました.今回は行かなかったのですが,近くに卜伝の墓もありますので,そのうちゆっくり巡って,歴史の歩き方に書きたいと思っています.イベントでもらったお茶代分くらいは町おこしに貢献しないと.ちなみに卜伝と武蔵が戦ったというのは時代的にちょっと無理があり,創作です.

鹿島神宮では偶然にも百手式をやっていて武徳殿では4人が並んで矢を射るという儀式をしていました.ビュという矢を放つ音.ビューと風を切る音.ガッと的に刺さる音.小気味よく耳に響きます.大学時代の友人が弓道部だったので,弓道はなんとなく身近なスポーツなんですが,よく考えてみると間近で見たのは初めてでした.

関西で生まれ育った我々にとってあまり馴染みのなかった北関東.少しずつ開拓して行きたいと思っています. (2007/6/10)

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