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馬籠から妻籠へ・中山道を歩く
木村先生の「ハイキングに行きませんか?」の一言によって馬籠・妻籠ハイキングが企画されました. 馬籠宿から大妻籠,妻籠宿を通り,南木曽駅までを歩く約12kmのウォーキングです. 馬籠・妻籠は,江戸時代に整備された五街道の一つである中山道の宿場町として繁栄し,今でも古い町並みが保存されています. また,馬籠は島崎藤村の故郷であり,「木曾路はすべて山の中である」で始まる「夜明け前」の舞台としても知られています.

実は,前々から旅行先などで歴史的な名所とそれに関わる人物などを紹介しながら随想のようなものを書きたいと思っていまして, その第一回を「馬籠・妻籠と島崎藤村」にしようかな?とか思っていたのですが, どうも藤村は歴史上の人物という気がしなかったので,止めにしました.

ただ,藤村のことを調べていると興味深い人物に出会いました.藤村の父,島崎正樹です. 馬籠本陣で生まれた正樹は,明治政府の文明開化の政策を憂えて明治天皇行幸の際に,開国反対を直訴する献扇事件を起こします. この父をモデルとして藤村は「夜明け前」を書いたのです. 今回のハイキングに行くにあたって,夜明け前の序の章を読んだのですが,自分の生まれ故郷というのもあってか自然の描写がすばらしいです.

その描写通りの町並が続く馬籠へは,中津川からバスで移動し, 馬籠本陣や藤村記念館を横目に石畳を歩き,妻籠を目指します. 車道としてアスファルトで整備された道と並走する中山道のハイキングコースは山中を抜け, 一部車道と交差しながらも,石畳が残されているところもあり,江戸時代にタイムトリップをした感を与えてくれます.

途中には,高札場や,峠の茶屋,庚申塚,吉川英治の宮本武蔵にも登場する男滝・女滝など, 歩いている人達を飽きさせない程度に見所があり,ハイキングコースとしてはとても良いと思うのですが, すれ違う人があまりいなかったということは,歩いている人は少なかったのでしょう.暑かったですからね….

馬籠宿から歩くこと2〜3時間でようやく妻籠宿に到着し,喉も乾いているしビールだビールだと食事処に入り, 馬刺しや蜂の子,サワガニなどをつまみに乾杯. 妻籠宿から南木曽の駅まではすぐだと思っていたので,「皆さんおつかれ様」モードで飲んでいたのですが, 食事処を出るとバス停でバスを待っている人がいます….駅までは遠いってことでしょうか? しばらく歩いていると南木曽まで3キロだか4キロだかの看板が出て,皆ショック. せっかく飲んだビールを汗に変えつつ,南木曽につく頃にはすっかりアルコールも抜けてしまっていました.

アルコールを補充するべく,名古屋に帰ってきてから大曽根へ飲みに行きました. 酔っ払いながらも木村先生や他の研究員達と日頃話せないようなことを議論することができ,有意義な飲み会になりました. 二件はしごの末にお開きになった後,終電一本前の電車で帰りました.

ハイキングを機会に出合った「夜明け前」,読もうかどうしようか思案中です. 通勤・通学で電車を使わなくなってから本当に読書量が減りました….(2004/7/3)

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